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地震による被害と対策(大棟 (のし積み・輪違い))

<被害状況>のし積み
のし積みの場合は、お互いの瓦のくっついている接面が大きいため、比較的被害が少なかったように思われます。
しかしながら、緊結線による大回しでの瓦のとめつけ方法では、躯体との繋がりがなく、崩れたり、写真のように、崩れる寸前で止まっているものが見られました。
また、台土の崩壊が見られました。
被害状況のし積み1
被害状況のし積み2

<被害状況>輪違い
この棟は、輪違いという半丸の瓦を組み合わせて巻かれています。基本的には、その構造上乗せているだけであり、止め付けは、ぐるりと大回しした緊結線のみです。
また、丸という形状から、瓦どおしの接面が少ないため、崩壊したものと思われます。
被害状況輪違い1
被害状況輪違い2
被害状況輪違い3
被害状況輪違い4
崩れてはいませんが、輪違い瓦がズレて飛び出しています。
被害状況輪違い5

<対策>
躯体と瓦をしっかり繋いで固定するため、下地からボルト(白矢印)を立ち上げます。
強度的にも充分で、風雨に強い面土瓦(黄矢印)を取り付けます。
対策大棟1
ボルトが動かないように気をつけながら、棟瓦を葺いていきます。
対策大棟2
立ち上げたボルトに芯材(黄矢印)を取り付けます。
対策大棟3
その芯材に雁振瓦をパッキン付ステンレスビス(黄矢印)で取り付けます。
対策大棟4
瓦の割付上、棟際に半端瓦を葺く場合は、釘穴をあけ止め付け(黄矢印)ます。
対策大棟5
対策大棟6